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2022.2.8
2024.11.14
澄んだ水晶の中に、ミステリアスで美しい紫色を宿したアメシスト。
古くからその高貴な紫色が人々の目を惹き、王族や芸術家など、身分の高い人々から愛されてきたアメシストには、守護石として崇められるアメシストならではの魅力があります。
今回はそんなアメシストの特徴や石言葉、歴史を紐解きながら、アメシストの魅力について探っていきましょう。
まずは、透き通るような紫色が美しいアメシストはどんな宝石なのか、その特徴を見ていきましょう。
アメシストは和名を「紫水晶」といい、その名の通り紫色をした水晶の一種です。
宝石には多種多様なカラーがありますが、中でも色の濃く透明度の高い紫色は珍しく、紫色の宝石と言えばアメシストをイメージする人も多いでしょう。
主な産地として挙げられるのは、ブラジル、ウルグアイ、ザンビアなどです。
特に世界有数のアメシストの産地とされているのが、アフリカ大陸南部に位置するザンビアのカリバ鉱山。ここでは、ムラのない美しい色合いの高品質なアメシストが採掘されます。
また、最大のアメシスト産出量を誇る国であるブラジルでは、最南端のリオ・グランデ・スル州が有名です。
ブラジルでは産出量が多いため様々な色合いや大きさのものが採れますが、日本で多く流通しているものでは、比較的明るい色のアメシストや、魔除けのインテリアとして人気のドーム状のアメシストが特徴的ですね。
以前は日本でも栃木県・石川県・兵庫県・宮城県などで採掘されていましたが、現在はごくわずかな量しか採れなかったり、すでに採掘禁止になっていたりと、日本産のアメシストは希少になっています。
アメシストは紫色が特徴的な石ですが、その色は成分や形成中の紫外線量などによっても変化するもので、幅広い色合いのものがあります。
ムラがなく透明度の高い、濃い紫色のものが高品質なアメシストだとされていますが、その他にも、その色合いごとにいくつかの種類があります。
ラベンダーアメシストは、柔らかく淡い紫色が特徴です。
長時間紫外線を受けていたことでこのような柔らかい色になるとされており、心を落ち着かせてくれるような色は神経を癒し、ストレスを和らげてくれる効果があるとされています。
コーディネートにも合わせやすい色合いから、パワーストーンブレスレットやデイリージュエリーでも人気が高まっている種類ですね。
ピンクアメシストは、紫色のアメシストよりも多くの鉄分を含むことでピンクがかった色合いへと生成されたものです。
限られた場所でしか採れない、希少性の高い宝石になっています。
グリーンアメシストは宝石学上は「プラシオライト」と呼ばれるもので、透明度の高い緑色が特徴の宝石です。
天然のグリーンアメシストは非常に希少なため、市場に出回るものの多くはアメシストに熱加工を行って変化させたものになります。
通常、アメシストは熱加工を施すと黄色みを帯び「シトリン」と呼ばれる宝石に変化しますが、一部のアメシストのみがグリーンアメシストとなるため、より希少性が高いとされています。
水晶の中でもアメシストとシトリンがひとつの結晶の中で混ざりあったものを、「アメトリン」と呼びます、
アメシストが生成される途中の化学反応により偶然できるもののため、こちらも天然のものは非常に貴重で、グリーンアメシスト同様熱加工によって作られたものが市場に流通しています。
アメシストの名前は、古代ギリシャ語で「酒に酔わない」という意味を持つ「amethystos(アメティストス)」から来ています。
その名前から、古代ローマでは「アメシストの杯でお酒を楽しむことでお酒や人生の悪酔いから身を守ってくれる」という言い伝えもあったそうです。
その由来には様々な説がありますが、特に有名なのは、ローマ神話に登場する豊穣とブドウ酒の神バッカスの次のような伝説を由来とするという説です。
ある日、酒に酔ったバッカスが通りがかった人間をお供の獣に襲わせるいたずらを仕掛けているところへ、月の女神ディアナの元へ礼拝に向かおうとしていた、美しい乙女アメシストが偶然通りかかります。
獣に襲われそうになったアメシストですが、間一髪のところでディアナの加護を受け、ディアナの力によって真っ白な石に変わることで難を逃れました。この真っ白な石が、水晶だと言われています。
その後、酔いが冷めたバッカスが自らの行いを恥じ、器に残っていた赤ワインを白い石にかけると、石は美しい紫色のアメシストになりました。
このような伝説から透き通った美しい紫色の宝石にアメシストの名前がつけられ、先の古代ローマでの言い伝えが生まれたとされる説があります。
アメシストは一般的にアメジストと表記されることが多いため、聞きなれているのはアメジストという方が多いのではないでしょうか。
元々はアメシストを翻訳した際に発音の難しさから「アメジスト」という発音が広まったと考えられており、日本ジュエリー協会と宝石鑑別団体協議会(AGL)ではアメシスト表記を採用しています。
しかし、特にどちらが間違いということはありません。
アメシストは非常に歴史が古く、紀元前2000年以上前の古代メソポタミアにおいて、すでに身分の高い人たちの印材として使われていたとされています。
初期のキリスト教でも司教の石として司祭など位の高い聖職者がアメシストの指輪やロザリオなどを身に着けていたり、中世ヨーロッパで戦いを勝利へ導くための頭脳を授け、怪我から守る護符として兵士たちが携行していたと言われていたりと、人工で作ることが難しかった紫色の神聖さから、特別なイメージを持たれ、愛されてきました。
現在では比較的手に入れやすいアメシストですが、19世紀以降にブラジルに大きな鉱床が見つかるまでは、エメラルドやルビーと同様に高価な石として扱われてきた歴史もあります。
また、ルネサンス期を代表する芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチもアメシストを愛した人物のひとりです。
「アメシストは邪悪な考えを払い、知性をかき立てる」という言葉を残すほど、アメシストに惹かれていたのだそう。
アメシストの石言葉は「誠実」「心の平和」「高貴」「真実の愛」です。
その力で深く縁を結びたいと願う相手の本質を理解し、真実の愛のパートナーを引き寄せることから「愛の守護石」とも言われています。
アメシストは、不安を取り除き心の平静を保たせ、理性をもって素早く対処できるようサポートする力があるとされます。
その石言葉にもあるように、「心の平和」を求める場合に役立つでしょう。
また、洗練された官能美をもたらす効果もあるため、センシュアルな雰囲気を纏いたいと願う女性にもおすすめの宝石ですね。
古くから守護石や神聖な石として使われてきたアメシストは、悪いものから身を守る魔除けの力があると信じられています。
お守りとして身に着けるにも、ぴったりな宝石です。
また、パワーストーンとしてアメシストには、直観力や創造性を高める効果があると言われています。
クリエイティブな仕事をしている方や、新たなアイデアを生み出したいという時には、力を借りると良いかもしれません。
アメシストは、2月の誕生石にも制定されています。
世界各国で微妙に違いのある誕生石ですが、アメシストは多くの国で共通の2月の誕生石だと言われていますね。
2月生まれの人の誕生日祝いなど、贈り物にもおすすめです。
同じく2月の誕生石として、2021年に追加されたのがクリソベリル・キャッツ・アイです。
ハチミツ色に猫の瞳のような一筋の光を宿したクリソベリル・キャッツ・アイは、「守護」「慈愛」「寛大な心」「希望」といった、あたたかな石言葉を持っています。
日本での結婚の周年記念日には、1年ごとにそれぞれ名前が付けられています。
結婚17年目の記念日は「紫玉(しぎょく)婚」。紫玉はアメシストを指すため、「アメシスト婚」とも呼ばれています。
アメリカでも、同様に6周年の記念日にアメシストを贈るというイベントがあります。
愛の象徴として、パートナーへアメシストを贈って結婚の記念をお祝いしてみてはいかがでしょうか。
モース硬度7のアメシストは、日常の使用に問題がない程度の強度を備えていますが、ダイヤモンドやルビーなどの硬い石と一緒にすると傷がつく恐れがあります。
また、紫外線や急激な温度変化に弱く、ひび割れを起こす可能性があるため、ジュエリーボックスなどケースを用意し、他の宝石と傷つけあわないよう単独でしまうなどして、保管場所には十分注意しましょう。
日常的なお手入れは、外した際にやわらかい布で拭く程度で十分です。
汚れや曇りが気になる場合には、中性洗剤を溶かしたぬるま湯につけ、やわらかいブラシで丁寧に擦ります。
アメシストは比較的柔らかいため、硬いブラシや酸性の洗剤は避けたほうが良いでしょう。
その後は水でしっかりと洗剤を洗い流し、柔らかい布で丁寧に水気を拭いたら自然乾燥をさせてください。
2月のお誕生日や結婚の記念など、特別な方へアメシストを贈りたい場合に、プラチナと組み合わせたジュエリーはいかがでしょうか。プラチナの純粋で上品な白さは、アメシストの魅惑的な紫色が持つ高貴さをより引き立ててくれるでしょう。
また、アメシストは魔除けや守護石のような意味で持つことも多いため、特別なタイミングだけでなく、日常的に身に着けていたいという方もいらっしゃるでしょう。
そういった場合でも、安定した性質を持ち、変色や変質の心配がないプラチナはおすすめです。
ミステリアスで高貴な輝きを持ち、大人の女性にふさわしいセンシュアルな魅力を与えてくれるアメシスト。
古代から人々を惹きつける美しい紫色は、プラチナの白さに引き立てられてより一層輝きを放ちます。
贈り物にはもちろん、ぜひお気に入りのプラチナ×アメシストのジュエリーを見つけて、日々のお守りにしてみてくださいね。
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