プラチナ・ジュエリーの国際的広報機関による情報サイト
プラチナやゴールドのジュエリーに「Pt900」「K18」などと刻まれているのを見たことはありませんか?これらは「刻印(こくいん)」と呼ばれ、そのジュエリーに使われている貴金属などを証明するものです。ジュエリーショップや専門業者などでは、この刻印を製品の真贋を決める基準のひとつとしています。刻印には一定のルールがあり、あらかじめそのルールを理解しておくことで、ジュエリーを購入する際に使われている貴金属や純度などを知ることができます。
刻印とは、プラチナやゴールド・ジュエリーの裏や目立たない場所に刻まれている製品情報のひとつです。刻印には様々な種類があり、主に貴金属の含有量のほか、ブランド名、石の重さ(石目)などが記されています。よく知られたものでは、金を75パーセント含む「K18」という刻印で18金とも呼ばれています。プラチナでは含有量90パーセントを示す「Pt900」が広く流通しています。
プラチナ・ジュエリーの品位(純度)を表す刻印には、日本国内では4つの種類があります。プラチナを表す元素記号「Pt」に、含有量を千分率で示す数字を組み合わせたもので、純度99.9パーセントは「Pt999」、純度95パーセントは「Pt950」。
90パーセントは「Pt900」、85パーセントは「Pt850」となります。一般的にはメーカーが独自で刻印を打った製品が多く、「Pt」と数字の組み合わせのみですが、独立行政法人造幣局において任意で品位証明された製品には、造幣局の証明であることを示す日の丸のマーク、品位を表した数字がひし形に入ったものと、「Pt」が刻印されています。
まれに「Pt」ではなく「Pm」と打たれたものが見られますが、これは「Pt」に標準化される以前に作られた製品の可能性が高く、一概に偽物であるとは言えません。ただし現在店頭に並んでいる製品はすべて「Pt」表記であるはずです。同様に、2012年に「Pt999」という表記が統一される以前は、「Pt1000」の刻印が打たれていました。この違いは刻印を打たれた時期の違いだけで、品質は同じです。また「Pt100」など、プラチナ100パーセントと間違えやすい刻印を見ることがありますが、千分率で表されるプラチナでは10パーセントの意味ですので注意が必要です。
日本国内でプラチナ・ジュエリーといえば「Pt900」が主流でしたが、現在では、純度を上げつつ硬度を増した新たな地金が多く開発され、硬い「Pt999」「Pt950」の製品も増えてきました。日常生活で必要な耐久性を確保しつつ、純度の高いプラチナ・ジュエリーを楽しむことができるのです。
刻印で注意したいのは「Pt900PTP」のように、数字の後に稀に刻印されていることがある「PTP」「PP」「PTF」といった表記です。
「PP」「PTP」は「PLATINUM PLATED(プラチナ プレーテッド)」、PTFは「PLATINUM FILLED(プラチナ フィルド)」の略で、別の金属の上にプラチナをコーティングした、プラチナメッキであることを指しています。
また、プラチナのような白色の輝きを出すためにプラチナに似た貴金属、ロジウムをコーティングしたものにも「プラチナコーティング」「プラチナ仕上げ」という表現が使われています。
これらは土台となる金属がプラチナではないため、経年劣化や衝撃によってコーティングが剥がれてしまうことがあります。
購入の際は、刻印に見慣れない文字はないか、素材に「仕上げ」や「コーティング」といった表記がないか、しっかりとチェックしておくと安心ですね。
お手元のプラチナ・ジュエリーが本物か偽物かを見分けるには専門家に依頼するのが一番です。ただし、まずは自分で調べてみたいという場合には、以下のような方法があります。
刻印を確認
上記で解説したように、刻印の有無も製品の真贋を決める基準のひとつです。ネックレスやブレスレットは留め具のプレート部分、指輪は内側に「Pt」の刻印があるかを確認しましょう。
中でも日の丸とひし形が刻印されているものは造幣局認定の証です。本物である可能性が非常に高くなります。
磁石にくっつくか確認
プラチナは磁石にくっつかない金属です。一方プラチナの偽物としてよく使われているニッケルは磁石にくっつきます。
そのため、磁石を近づけて反応があった場合は偽物である可能性が高いと判断できます。
比重を確認
金属はそれぞれ比重が異なるため、比重も真偽を確かめるひとつの基準となります。
比重というのは1立方センチメートルの水の重さと比べた時の重量比のこと。「比重=重量÷(重量-水中での重さ)」で、家庭用の計りを使って求めることができます。
「重量」はプラチナ・ジュエリーをそのまま計りにのせた時の重さ、「水中での重さ」は水を入れた紙コップを計りに乗せて目盛りを0に設定した後、紙コップの中にプラチナ・ジュエリーを入れた時の重さです。
プラチナの比重はPt850で16.56~18.72。それよりも明らかに低い場合は、偽物である可能性が高いと考えられます。
ただし、比重がプラチナと同じかとても近い貴金属もあるため、比重だけで真偽を判断することはできません。
上記3つの方法はあくまでも目安になりますので、正確な情報は宝飾店に依頼の上、専用の機器などを使って総合的に判断してもらうことをおすすめします。新たにジュエリーを購入する際にも素材や含有率の表記をしっかりと確認した上で、信頼できる宝飾店で購入するようにしてくださいね。