新進気鋭のアーティストを発掘する、若きギャラリスト。
GINZA SIXに開廊した
『THE CLUB』のディレクターに抜擢され、
アートと人、日本と世界をつなぐ架け橋的存在として活躍。
――山下さんがアートに興味を持ったのはいつ頃なのでしょうか。
父が古美術商を営んでいたため、幼い頃から茶道具など日本の伝統美術に触れる機会には恵まれていました。現代アートとの出会いと言えるのは、姉に連れられて足を運んだ原美術館で目にした荒木経惟さんの作品。当時、小学生だった私にとってはショッキングな作品もあり、「これも“美術”なの?」と頭がやや混乱(笑)。そのときに美術=アートとは必ずしも“美しい”だけではないことを知り、その幅広い解釈に興味を持ったんです。いつか美術の仕事をしたいと思い、大学卒業後にアートビジネスを学ぶべくロンドンへ留学。帰国後にサザビーズジャパンに入社しました。
――2017年、GINZA SIXオープンにあわせて、蔦屋書店を運営するCCCが初めて手がけるアートギャラリーのマネージング・ディレクターに抜擢されました。その経緯を教えてください。
CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)のCEOである増田宗昭さんにお声をかけていただいたのがきっかけです。サザビーズ在職中から存じ上げていた増田さんからのお話しはとてもありがたかったのですが、同じアートに関わるとはいえオークションとギャラリーとはまるで違う分野。自分に務まるのかと迷いました。
一方で、開花前のアーティストに光を当てるギャラリストという仕事に魅力を感じていたのも事実。思い切って挑戦することにしました。
日本ではまだ目にする機会が少ない現代のアーティストを中心に、時代や分野を超えた展示を行うというテーマで、『THE CLUB』という名前は私がつけました。以後、こんな展示会をしたらという提示があるということもなく、展示内容については一任いただいています。
――『THE CLUB』をどんなギャラリーにしたいと考えていますか?
アートとの出会いを多くの人に楽しんでもらえる場になればと。海外からの観光客や国内の若い世代の方など、あらゆる国籍、あらゆる年代の方に気軽に足を運んでもらいたいですね。
――プラチナ・メダルにちなんで、自分に“最上級の栄誉” を贈りたくなる、自らを褒め称えたくなるような成果・成功とはどんなことでしょうか?
まだ多くの方に知られていない若い才能を世の中につなぐことが私の役目と考えています。例えば、昨年・今年と個展を開催した猪瀬直哉はロンドンを拠点に活動しています。3年前にはじめて作品を見たとき、高い描画力とストーリー性のあるコンセプトに惹かれて声を掛けさせて頂きました。日本での評価は未知数だったものの、蓋を開けてみれば初日で作品が完売。アーティストと共に感動と達成感を味わえること自体が最上級の栄誉と言えるのかもしれません。
また、将来的に、キュレーターなど“アーティストや作品を支える人”をサポートする活動を行うとともに、今後の世代のためにアートスクールや芸術を勉強できる環境を整えたいと考えています。それらが叶ったときが自分にとっての最高の栄誉のように思います。
――ここからは山下さんのパーソナルな部分についても少し伺えればと思います。”最上級の栄誉”とは対照的に、ご自身にとっての、日常の“ささやかなご褒美”といえばどんなことでしょうか?
週末にお花屋さんへ行って季節のお花を買うことでしょうか。ホッとひと息つきながら一輪挿しに花を活け、季節を感じることは私にとって大切な時間でもあるんです。
――仕事をする上で大切にされていることがあれば教えてください。
一人じゃない、仕事は一人ではできないということでしょうか。現在スタッフは 7 人いるのですが、「みんながハッピーになれるように楽しくやろう!」というのがチーム『THE CLUB』のモットーです。みんなでコミュニケーションをとりながら自分たちが楽しいと感じることをやり、自分で自信を持てるように努力もする。そうすればこのギャラリーも仕事もさらに魅力的になると思っています。
――最後にメッセージをお願いします。
『THE CLUB』はアートの奥深さをカジュアルに誰もが楽しむことのできるギャラリーです。ぜひ、街歩きの途中に、気軽に足をお運びください。
1988年東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、ロンドンのサザビーズ・インスティチュート・オブ・アートにて アート・ビジネス修士課程を修了。サザビーズロンドン中国陶磁器部門でのインターンを経て、サザビーズジャパンにて現代美術を担当。主にオークションの出品作品集めおよび営業に関わり、ヨーロッパのオークションにおける戦後日本美術の取り扱い拡大に携わった。2017年より『THE CLUB』のマネージングディレクターを務める。
東京都中央区銀座6丁目10-1 GINZA SIX 6F 銀座蔦屋書店内
着用ジュエリー ピアス GINZA TANAKA ネックレス、ブレスレット LA SOMA リング Thanks Days Platinum
※2020年5月取材
プラチナ・ジュエリーの国際的広報機関プラチナ・ギルド・インターナショナルが、貴金属の最高峰であるプラチナを500 グラム以上も使用して製作した特別な宝飾メダルです。
素材 | Pt999(純プラチナ) |
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総重量 | 565.84グラム (留金具2個含む、リボン別) |
サイズ | 直径 880 ミリ、厚さ 6 ミリ |
参考価格 | 約 1000 万円(非売品) |
素材: Pt999(純プラチナ)
総重量: 565.84グラム (留金具2個含む、リボン別)
サイズ: 直径 880ミリ、厚さ 6ミリ
参考価格:約1000 万円(非売品)