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2022.3.15
2024.11.14
角度や見る人によって色彩が変化する、無限ともいえる虹色の輝きを宿したオパール。
オパールにしかないその神秘的なきらめきは、多くの権力者や芸術家たちを魅了し、その歴史に名を残しています。
そんなオパールが人々を惹きつけるのは、決してその見た目だけが理由ではありません。
今回はその魅力を、オパールが持つ特徴や意味からご紹介していきます。
神秘的な輝きと長い歴史を持つオパールとは、どのような宝石なのでしょうか。
まずは、その特徴を見ていきましょう。
オパール最大の特徴は、何と言っても角度によって変化する虹色のきらめきです。
色とりどりの揺らめきは、見るたびに異なる色を見せてくれ、ずっと見ていても飽きることがありません。
この現象は「遊色効果(プレイオブカラー)」と言い、他の宝石で見られることは少ないでしょう。
オパールは、主成分となる二酸化ケイ素を含む地下水が濃縮し、蒸発が繰り返されることで堆積・硬化してできるものであり、この生成の中で並んだ粒子の隙間で入ってきた光が分散することで、乱反射が生じ遊色効果が見られます。
オパールの主な産地は、オーストラリア、メキシコ、エチオピアなどです。
特にオーストラリアでは、世界の産出量の約9割と言われるほどのオパールが採掘されています。
最も有名なのはオーストラリア南部に位置し、オパールの都と呼ばれるクーバーペディで、最大170カラットのオパールが発掘されたこともあるような、良質なオパールの産地となっています。
オパールという名前は、古代インドのサンスクリット語において「貴重な石」を意味する「ウパラ」が語源となっているとされています。
ウパラはその後ギリシャ語で「色の変化を見る」という意味の「オパリオス」やラテン語で「宝の石」を意味する「オパルス」に変化していき、現在の「オパール」へと移り変わっていきました。
和名では「蛋白石(たんぱくせき)」と呼ばれ、日本で一般的なホワイトオパールが卵の白身に似ていることからその名前が付けられました。
遊色効果が特徴であるオパールですが、実はすべてのオパールで遊色効果が見られるわけではありません。
遊色効果のありなしによって、「プレシャスオパール」と「コモンオパール」の大きく2つに分けられ、それぞれ色などによってさらに細かな石の種類がいくつか存在します。
ジュエリーとして人気が高い遊色効果が見られるオパールは、プレシャスオパールと呼ばれています。
プレシャスオパールに含まれる主なオパールには、次のような様々なカラーのものがあります。
ブラック オパール |
希少性が高く、地色が深みのある黒色 |
ホワイト オパール |
半透明で乳白色 |
ファイヤー オパール |
炎のような赤~光沢のある黄色 |
カンテラ オパール |
母岩と一体になった状態でそのまま研磨されたもの |
ウォーター オパール |
水面のような、みずみずしく複雑に変化する色 |
中でも人気なのが、ブラックオパールという地色が黒色のオパールです。
オーストラリアのライトニングリッジという小さな町の周辺でのみでしか採掘されないため、希少価値が高く、漆黒の中に揺らめく虹色のコントラストが多くのセレブを魅了しています。
遊色効果がないオパールはコモンオパールと呼ばれ、半透明から不透明のクリーミーな色合いが特徴です。
遊色効果がないため宝石として価値のあるものは少ないとされていますが、一部のコモンオパールはオパールの多様で美しい地色を楽しめる宝石として親しまれています。
コモンオパールの仲間とされるのは、次のようなものです。
ピンク オパール |
優しい雰囲気の淡い桃色~濃いピンク色 |
ブルー オパール |
柔らかな水色~スカイブルー |
グリーン オパール |
淡いグリーン~濃いグリーンで希少性が高い |
ハイアライト オパール |
ガラスのような見た目で、淡いブルーやグリーン |
コモンオパールの中でも特に人気なのは、メノウのような縞模様にキャッツアイ効果に似た現象が見られる、「ドラゴンアイ」と呼ばれるグリーンオパール。
また、愛らしいパステルピンクのピンクオパールは「キューピッドストーン」と呼ばれ、出会いを引き寄せてくれる石として特に女性に人気があります。
オパールの歴史はとても古く、古代ローマ時代にはすでに「神の石」として愛されていました。
同様に古代ギリシャでは予知能力が形になったものだとして占いに用いられたり、アラブでは稲妻が具現化したものだとされ、雷や災いから身を守ってくれると信じられていたりと、その幻想的な輝きから、強い力を持つ宝石として人々を魅了していたのですね。
その後、オパールが宝石として強い脚光を浴びたのは19世紀ごろのフランス、アールヌーヴォー期。
フランスの一流ジュエラーによってオパールを用いたジュエリーが作られ、人気の宝石として人々に広まります。
また、オパールのきらめきは著名人たちにも愛されており、古代ローマの政治家だったマルクス・アントニウスが元老院議員の持っていたオパールに一目ぼれをし、クレオパトラに贈るために譲ってほしいと頼んだものの叶わず、その元老院議員を国外追放してしまったという逸話や、イギリスのヴィクトリア女王が愛し、娘たちの結婚祝いに贈った宝石としても有名です。
文豪シェークスピアの戯曲「十二夜」では、「宝石の女王」とも称されていますね。
オパールの石言葉は、「幸福」「希望」「歓喜」「純真無垢」など。
ローマ時代から「幸運を招く石」「希望の石」と親しまれていたオパールは、ポジティブで希望に満ちたエネルギーを持っています。
宝石の中では珍しい水分を含む宝石であるため、「みずみずしさ」「若々しさ」を象徴する石とも言われていますね。
オパールのポジティブなエネルギーには、思考を柔軟にし、クリエイティブな才能を発揮させたり、内に秘めた美を引き出してくれるパワーがあるとされています。
発想力を高めたい、心身ともに美しくありたいと願う人の日々をサポートしてくれるのではないでしょうか。
オパールは古くから神の石として魔除けや占い・儀式に用いられていたように、強いエネルギーを持っていると言われています。
そのポジティブなエネルギーは、不安や恐れ、怒りなどのネガティブな感情や闇を払い、前向きな光で満たす力があるとされます。
また、オパールの遊色効果による揺らめく光は、「持ち主の本当の心を映す」とも言われています。
不安を無くし、自分を見つめなおしたいという方は、お守りとして身に着けてみるのも良いかもしれません。
オパールは、10月の誕生石としても知られています。
自分の誕生月やその月の宝石を身に着けると幸運をもたらすとされる誕生石。10月生まれの方に、オパールのジュエリーを贈ってみてはいかがでしょうか。
また、誕生石が複数存在する月もあり、10月のもうひとつの誕生石としては、「無邪気」「潔白」「希望」などの石言葉を持つトルマリンがあります。
トルマリンもオパール同様、豊富なカラーバリエーションがあることが魅力の宝石ですね。
結婚の周年記念日には、1年ごとにそれぞれ名前が付けられ、まつわる贈り物などをする風習があります。
日本で結婚14周年のお祝いは「象牙婚式」と呼ばれ、象牙製品を贈るのが定番です。
アメリカでも以前は同様に象牙製品を贈り合っていましたが、環境保護の観点などから、オパールが贈り物として選ばれるようになりました。
オパール層のようにいくつもの歴史を重ねてきた結婚14周年には、これからの結婚生活が彩り豊かであるように願いを込めて、オパールのジュエリーを贈るのも素敵ですね。
これまでご紹介したように、ポジティブで神秘的なエネルギーを持つオパール。
しかし、実はイギリスをはじめとしたヨーロッパで、「身に着けると運気が下がる」「不幸の石」といったような噂があるのはご存じでしょうか。
この噂の理由は諸説ありますが、特に有力だとされるのが次の2つです。
まずひとつは、オパールが輸入されるようになったことで利益が落ちたダイヤモンド商人たちが流した悪い噂が、根強く残ってしまっているというもの。
そしてもうひとつは、宝石職人たちの間で素材としてオパールが扱いにくかったことが原因だとされる説です。
オパールは他の宝石と比べてデリケートで加工が難しいため、加工時に破損させてしまう職人も多く、破損した宝石の責任を職人が負わなければならなかった当時は、職人にとっては「不幸を運ぶ石」だったのかもしれません。
こういった説から分かる通り、オパールを身に着けると運気が下がるというのはあくまで根拠のない噂にすぎません。
ジュエリーとしてはもちろん、ネガティブな感情を消し去ってくれるお守りとしても、安心して身に着けてくださいね。
オパールは、宝石の中ではとても珍しく、水分を豊富に含む宝石です。
そういった性質から熱や乾燥の影響を受けやすいため、極端に乾燥するような場所や太陽光が直接当たったり、熱がこもるような場所は避けましょう。
水分が蒸発してしまうと、変色したり、亀裂が入ってしまったりする可能性があります。
また、他の硬度の高い宝石などとぶつかって傷にならないように注意しましょう。
普段のお手入れは、やわらかい布で拭く程度で問題ありません。
汚れや曇りが気になる場合には、ぬるま湯に中性洗剤を入れたものに浸し、筆やガーゼなどのやわらかいもので汚れを落としましょう。
水分を含んでいる宝石とはいえ、濡れたまま放置するのは良くありませんので、水でしっかりとすすいだ後はタオルで水気をしっかりと拭き、風通しの良い場所で自然乾燥をさせてからしまってくださいね。
他の宝石にはあまり見られない遊色効果による、神秘的な虹色の輝きが見る人を魅了するオパール。
ポジティブなエネルギーをもたらしてくれるとされるオパールは、贈り物にはもちろん、お守りとして身に着けるのもおすすめです。
その豊富な色の揺らめきを楽しみたいオパールには、地色を引き立て、虹色とのコントラストをより美しく見せてくれるプラチナのジュエリーがおすすめ。内なる魅力を引き出し、自らを輝かせてくれるパワーを秘めたオパールは、しなやかで真っすぐな白い輝きを放つプラチナと組み合わせることで、より魅力的な女性を演出してくれます。
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