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2021.4.22
2023.10.11
無垢な白色に宿る虹色の輝きが人々を魅了してきた真珠(パール)。
日本では冠婚葬祭のジュエリーとしてなじみが深いパールですが、それにはパールに込められた意味が関係しています。
古代から価値のあるものとして大切にされ、今も多くの人々に愛され続けるパールの魅力はどこにあるのでしょうか?
真珠(パール)は、海や川、湖に棲む二枚貝から採れる宝石です。
貝の中に異物が入り込み、吐き出せずに残ってしまうと、身を守るためにその異物を包み込もうと貝殻と同じ成分が分泌されます。
その成分で何層にも包まれて丸く形作ったものがパールなのです。
パールはその神秘的な輝きから「月の涙」や「人魚の涙」と呼ばれ、涙の象徴とされてきました。
葬儀で身に着けても良い唯一の宝石とされているのも、そんなパールに込められた「涙」という意味からです。
ドレスアップすることが礼儀とされていたイギリスで、エリザベス女王が国葬で悲しみを表す宝石としてパールを身に着けたのがはじまりで、その後イギリスの上流階級の女性たちがそれに倣ったことで、当時西洋化が進んでいた日本でも定着したと言われています。
また、パールの石言葉には「純粋無垢・純潔・富・健康」があり、母貝から育まれることから家族の愛情の象徴とも言われています。
気持ちを鎮め、ポジティブにしてくれる効果があると言われているので、感情が不安定な時にお守りとして身に着けるにもおすすめです。
やわらかく澄んだ輝きを放つパールは、そのエネルギーも優しく清らかです。
母貝に育まれ、何層もの保護膜に包まれてできるという特性から、母のような愛で持ち主をまるごと受け入れ包み込み、ネガティブな感情やできごとから守ってくれる効果があると言われています。
また、長い歳月をかけて成長することから、潜在能力を引き出し持ち主の成長を促してくれる石としても有名です。
特に女性性を高めてくれる効果があり、センシュアルな魅力を持ちたい、若々しく美しくありたいと願う人や、妊娠出産のお守りとしても人気があります。
パールは、ムーンストーンやアレキサンドライトと同じ6月の誕生石です。
誕生石とは、守護石となる宝石のこと。誕生月の人が身に着けることで、悪いことから身を守る魔除けになると言われています。
パールは種類によって生息する貝や大きさ、色のバリエーションが異なります。
代表的な種類とその魅力を見ていきましょう。
日本近海に生息するアコヤ貝から採れる、最も一般的なパールです。
特に有名な産地は、三重の伊勢志摩や愛媛の宇和島です。
色はクリーム系や、日本人に好まれるピンクホワイト系。
形は真円が多く、小ぶりでも美しいパールが多く採れることから、さまざまなデザインのジュエリーに加工されています。
オーストラリアやインドネシア近海に生息する、白蝶貝から採れるパール。
南洋白蝶貝はパールが採れる貝の中では最も大きく、パールも大ぶりなものが採れるため、一粒ネックレスとして人気の種類です。
色はホワイト系やゴールド、イエロー系が多く、華やかで存在感があります。
赤道を中心にした温かい海域に生息している、黒蝶貝から採れるパールで、タヒチ近海で養殖されていることから、タヒチ真珠とも呼ばれています。
その名前の通り、ブラック系の色合いが多く、他にもグリーン系やブルー系もあります。
特にグリーンがかったブラックのパールに、虹色の光が浮かび上がるピーコックグリーンのものが人気です。
中国の川や湖で主に養殖されている貝類から採れるパールです。
大きさは小ぶりでオーバル形が多いですが、ホワイト、ピンク、オレンジ、パープルと、他のパールにはない鮮やかなカラーが魅力です。
1つの貝から1個しか採れない他のパールと違い、淡水パールからは20~30個のパールが採れるため、比較的安価で流通しています。
日本でパールの歴史がはじまったのは、なんと縄文時代から。縄文人によって加工されたと見られる淡水パールが出土しています。
中国の「魏志倭人伝」には邪馬台国の卑弥呼の娘が、中国に大量のパールを送ったと記されています。
海外では、紀元前3200年頃のエジプトで既に知られていて、装飾品としてはもちろん、砕いたものが化粧品や漢方として使われていました。当時からとても高価なものとされていて、クレオパトラがその贅と権力を相手に誇示するために、耳に着けていた大きなパールのイヤリングをお酢に溶かして飲んで見せたという逸話も残されています。
パールの産地は日本、中国、オーストラリアの沿岸が主です。
ジュエリーとして流通しているもののほとんどが養殖ですが、養殖の海水真珠の産出量は日本が世界一を誇ります。
ジュエリーを購入する際、品質の良いパールを見極めるためにはどこを見たら良いのでしょうか?
実はパールにはダイヤモンドのような国際基準はありません。
販売する企業ごとに評価基準が異なりますが、おもに以下のような項目から品質が評価されていることが多いです。
巻きとは真珠層の厚さのこと。パールを選ぶ要素で一番重要なのが巻きだと言われています。
巻きが厚いほど経年劣化しにくく、テリと呼ばれる光沢が出やすくなります。
ただし真珠層の品質が良くなければ、美しいテリは生まれないので厚ければいいというものではありません。
パールは本来の色である実体色と、光の反射によって変わる干渉色という2つの色のコンビネーションで、絶妙な色合いが生み出されています。
ピンク、ブラック、イエロー、ゴールド系など、白以外にもいろいろなカラーがあり、それぞれに人気の色が異なるため一概には言えません。
一般的には色合いや外観を整える「調色」という加工がされていない、無調色で美しい色合いを持つものが価値が高いとされています。
真円であればあるほど価値は高くなります。
ただし近年はバロックパールなど、個性的な形を魅力としてジュエリーに加工されているものもあります。
どの角度からみても美しく、周囲を写し込むほどの強いテリがあるものが高品質のパールの証です。
中でもテリの良いものには、パールの表面にレッドやグリーンの干渉色が出現します。
パールは自然の産物なので、パールが成長する過程で表面に凸凹やシワが生まれます。無傷のものはまれで、大きな傷でなければ問題はありません。
小さな傷があってもジュエリーにする際に目立たないように加工されることがほとんどです。
真円のパールは大きければ大きいほど高価とされています。
ただし貝の品種によって大きさが異なるため、サイズだけで判断されることはありません。
ジュエリーで定番のアコヤ真珠は7〜8mm程度が主流なので、9mm以上の大粒のものは希少価値が高くなります。
結婚30周年の記念日のことを真珠婚式と呼びます。
何層にも重なることで美しい輝きを放つパールは、夫婦の時間を重ねることでより絆を深めてきた夫婦の30周年の記念ジュエリーにふさわしい宝石ですよね。
パールは汗や酸、水に弱い宝石です。
汗や皮脂が付着したままにしておくと、光沢が無くなり変色の原因になります。
メイクやヘアセットが終わってから身に着け、外したらやわらかな布で優しく拭きましょう。表面が柔らかく傷がつきやすいため、他のジュエリーと分けて収納することも大切です。
他のどの宝石とも異なる、無垢な白色と虹色の輝きが魅力のパール。
そんなパールの魅力を引き出してくれるのは、白色が美しいプラチナです。
純粋無垢と表現されるプラチナは、パールを主役に、色や形の個性を引き立ててくれる存在。白で統一されたジュエリーは高貴な輝きが相まって、孤高の存在感を放ちます。特にシンプルなファッションと相性が良く、いつものコーディネートを上品にまとめてくれます。
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