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2021.3.17
2023.8.18
燃えるように鮮やかで、深い緑色をもつエメラルド。
世界4大宝石の1つで、古くから時の権力者たちの心を惹きつけ、現在でも世界中の人々を虜にしています。
今回はそんなエメラルドの特徴や歴史、誕生石や石言葉から、エメラルドの魅力をご紹介していきます。
アクアマリンと同じベリルという鉱物の一種です。宝石の中に含まれる不純物の種類によってその色を変える鉱物で、エメラルドの緑はクロムやバナジウムが含まれることで現れます。
とても繊細な石で衝撃にも弱く、ジュエリーにする過程にも割れることがあるほど。
熟練の職人の手によって加工されます。
エメラルドは5月生まれの人に幸運を運ぶ誕生石です。
同じ5月の誕生石には、スモーキーな深緑色が美しいヒスイがあります。エメラルドと混同されがちですがまったく別の鉱物です。
エメラルドはインドの古典語で「緑の石」を意味する「smaragdos(スマラカタ)」が語源です。それがギリシャ語やフランス語など、さまざまな言語を介して変化していき、現在の「emerald(エメラルド)」に変化したといわれています。
エメラルドと言えば、中央に長方形の広い平面のあるエメラルドカットが代表的です。
これは貴重なエメラルドの原石を、いかに削る部分を少なくできるか、色を引き立たせることができるかが考えられた、エメラルドのためのカットです。
また、角を落とすことで欠けにくく、耐久性を高めてくれる効果もあります。
インクルージョン(内包物)とは、宝石ができる過程で中に取り込まれる不純物や、内部のひび割れなどのこと。エメラルドはインクルージョンが多いことで有名で、「エメラルドと人間に傷のないものはない」ということわざがあるほど。
そのため内包物が少ないエメラルドは、とても希少で価値が高いです。
インクルージョンは見た目にも影響するため、エメラルド本来の美しさを引き出すために、無色のオイルや樹脂に浸して傷を目立たなくする処理が行われています。
通常の鉱物はインクルージョンがないものが選ばれ、研磨されて宝石になりますが、エメラルドは多少のインクルージョンがあっても研磨され、宝石として扱われます。
傷も個性のひとつとして認められた、特別な宝石なのです。
エメラルドの歴史は紀元前4,000年に遡ります。その頃には既に価値のあるものとして売買され、その後は古代ローマ人やインカ族の手に渡り、神聖な石として崇拝されていました。
アレキサンダー大王を勝利へ導いた守護石でもあり、クレオパトラがその美しさに魅了され、生涯愛した石としても有名です。
1900年代のはじめには、ハイジュエリーブランドがこぞってエメラルドのジュエリーを仕立て、その美しさを世間に知らしめました。
エメラルドの有名な産地は、コロンビア、ザンビア、ブラジル、ジンバブエなど、南米やアフリカの地です。
特に良質なエメラルドが採れることで有名なのは、コロンビアのムゾー鉱山。透明度が高く濃い緑色をした、最高級のエメラルドが産出されると言われています。
実在する宝石をテーマにハリウッド映画にもなった「トプカピ」の大きなエメラルドも、ムゾー鉱山で採れたものだと言われています。
日本では主な産地はありませんが、奈良県の川で採れたという実績があるそうです。
エメラルドの石言葉は「幸福」「愛」「献身」「知恵」です。
愛と美の女神ヴィーナスに捧げられた石であることから「愛の象徴」とされ、恋愛・結婚成就・夫婦円満をサポートしてくれると言われています。
また、古くから緑色には人を癒す力があるとされ、心を穏やかにし、物事を成就させるために必要な知恵を授けてくれるとも言われています。
エメラルドの穏やかで深みのある緑色は、円熟した夫婦にも例えられ「エメラルド婚式」という結婚55周年記念日の名称にもなっています。
「献身」の石言葉もまた、半世紀以上を共に歩んできた夫婦にぴったりです。
お祝いとして夫婦間はもちろん、お子さんやお孫さんからご夫婦へ、エメラルドジュエリーやエメラルドカラーのギフトを贈るのが一般的になっています。
エメラルドは割れやすく、一方向からの衝撃に弱い石です。
傷や欠けを防ぐため、家事や運動、就寝時には必ず外すことをおすすめします。
外した後は、くすみの原因となる汗や皮脂汚れを残さないよう、専用クロスややわらかな布で拭き取りましょう。
また、お湯や洗剤でのケアは、インクルージョンの処理に使われているオイルが溶けてしまうことがあります。
せっけん水での洗浄や超音波洗浄機も、エメラルドの場合は注意が必要です。
極度に乾燥する場所もオイルが蒸発する場合があるため、保管場所は冷暖房や照明の近くを避けましょう。
古来では「豊穣と再生の石」「永遠の春と不死の象徴」とされ崇められていたエメラルド。
新緑を思わせる鮮やかな緑に生命の息吹を感じ、自分たちにもその力が宿ると考えてられていたのかもしれません。
そんなエメラルドの色と美しさを最大限に活かしてくれるのは、高貴な白い輝きのプラチナジュエリー。
愛の贈り物としてはもちろん、人生を豊かにしてくれるお守りジュエリーとして、身に着けてみてはいかがでしょうか?
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