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6月の新誕生石「アレキサンドライト」 皇帝を魅了した色の秘密や石言葉とは?

2024.1.31

2024.2.7

時の皇帝に献上されるという華々しい歴史をもつアレキサンドライト。
2つの色をもつという特性や、「世界三大希少石」にも選ばれるほどの希少性から、ダイヤモンドに次ぐ「宝石の王様」と呼ばれています。多くの人の憧れの的となっているアレキサンドライトの魅力は、どのようなところにあるのでしょうか?
その魅力を紐解きながら、歴史や6月の新誕生石に加えられた理由、お手入れ方法まで詳しく紹介していきます。

  6月の新誕生石「アレキサンドライト」 皇帝を魅了した色の秘密や石言葉とは?

アレキサンドライトの特徴

アレキサンドライトはクリソベリル(金緑石)という鉱物の変種です。特徴であり最大の魅力は、光源によって色が変わること。
太陽や蛍光灯の下では青みがかった緑色に、ランプやろうそくなどの白熱光の下では紫がかった赤色に変化します。まるでまったく異なる宝石のように変化する姿から「昼はエメラルド、夜はルビー」と表現されることもしばしば。これはアレキサンドライトに含まれているクロムが、特定の波長の光を吸収するために起こる変色効果です。

光によって色を変える宝石はほかにもあるものの、アレキサンドライトほど明確に変化する宝石はほかにはなく、その変化が鮮やかなほど希少価値が高いとされています。
また、採掘量からもその希少性が伺えます。
上質なアレキサンドライトの採掘源だったロシアの鉱山は数十年間で閉山しており、産地は複数あるものの現在ではほとんど採掘されず埋蔵量もわずか。
上質なアレキサンドライトと出会えることは非常に稀で、希少性の高さではダイヤモンドを凌ぐ場合も。

アレキサンドライトの名前の由来

アレキサンドライトの名前の由来は、ロマノフ朝第12代ロシア皇帝のアレクサンドル2世です。ロシアで産出されたアレキサンドライトは、色が変化する珍しい宝石として当時のロシア皇帝ニコライ1世に献上されました。献上された日が後の皇帝アレクサンドル2世12歳の誕生日だったため、 名前にちなんで名づけられたといわれています。

アレキサンドライトの石言葉と意味

アレキサンドライトの石言葉は「高貴」「秘めた思い」「情熱」「安らぎ」です。
光によって変化する2色がそれぞれに魅力をもつように、秘めた能力を引き出し、相反する性質も魅力として表現してくれる力があるとされています。
個性や独創性を発揮したい時の助けになってくれるでしょう。
また、アレキサンドライトと同じく2面性をもつ、ふたご座の守護石としても愛されています。

アレキサンドライトは6月の誕生石

アレキサンドライトは2021年12月の誕生石の改訂で追加された6月の新誕生石です。
もともと日本の6月の誕生石はパール、ムーンストーンのみでしたが、日本の誕生石のもととなったアメリカの誕生石に選定されていることから、新誕生石に選定されました。

 

誕生石が複数ある理由

同じ月に誕生石が複数あると、どれを選べばいいのかわからないという方もいますよね。
誕生石はそもそも、旧約聖書に出てくるイスラエルの祭司長の胸当てにはめ込まれた12種類の宝石からはじまりました。
西洋占星術の「黄道十二宮」にも12の宝石が配され、天頂にある星座を象徴する宝石の力が最も強くなると信じられていたことが、誕生石の由来といわれています。
その後はより親しまれるものになるよう、国によって宝石を変えたり、増えたりしながら変化していったものが今の誕生石です。
今回の改訂も宝石の選択肢を増やすことで、宝石への関心を高めてもらいたいというもの。複数ある場合でも気負わず、きれいだな、いいなと思った宝石を手に取ってみてください。

 

ほか2つの宝石の特徴や魅力も、少しだけ見ていきましょう。

 

6月の誕生石:真珠(パール)

丸い形に、やわらかく澄んだ輝きを宿した真珠。海や川、湖に棲む二枚貝から採れる有機質の宝石で、日本では冠婚葬祭に欠かせないジュエリーとしてなじみ深いですよね。
何層もの保護膜に包まれてできるという特性から母性の象徴とされ、女性性を高め、センシュアルな魅力を引き出してくれます。
真珠(パール)について詳しく見る

 

6月の誕生石:ムーンストーン

半透明の石に、夜空に浮かぶ月のような青白い光を宿したムーンストーン。その姿から月の神秘的なパワーを宿していると考えられてきました。
月の満ち欠けのように、万物は変化することが当たり前であることを気づかせ、感情を鎮めてくれる「新しいはじまりの石」です。
月のサイクルで情緒が乱れがちな女性に癒しをもたらし、ホルモンに働きかけて女性らしさを高めてくれる効果があるとされています。
ムーンストーンについて詳しく見る

アレキサンドライトの歴史

アレキサンドライトが最初に発見されたのは1830年代のロシアです。
ウラル山脈の東側にあるエメラルド鉱山で発掘され、太陽の下では緑色をしていたため、当時はエメラルドだと思われていました。

皇帝付きの高名なフィンランド人鉱物学者、ニルス・ノルデンショルド博士によって、新種の鉱物であることが明らかになり、そこから皇帝へと献上。
神秘的な変色効果により現われる赤と緑が、当時のロシアの軍服と同じ色だったことから、ロシアを象徴する守護石だとされ、大変もてはやされていた歴史があります。

アレキサンドライトの産地

ロシアの鉱山が閉山してから、スリランカ、ブラジル、インド、タンザニア、そしてマダガスカルなどでもアレキサンドライトが採掘されています。
ブラジル産は宝石質のアレキサンドライトが採れる産地として有名ですが、透明度、変色性の美しさでロシア産に勝る産地はないといわれています。

結婚45年記念「金緑婚式」の宝石

アレキサンドライトはアメリカでは55周年、日本では45周年の結婚記念石にも選ばれている宝石です。
結婚記念石とは結婚の節目を祝う宝石のこと。25年目の銀婚式、50年目の金婚式のように節目ごとに金属や宝石になぞらえた呼び名がつけられています。
アレキサンドライトは鉱物名のクリソベリルの和名である金緑石(きんりょくせき)から、金緑婚式と呼ばれています。
現在ではほとんど採掘されないと言いましたが、ジュエリーに加工されたものであれば、バリエーション豊かなアレキサンドライトと出会えます。

アレキサンドライトとプラチナ

アレキサンドライトのジュエリーにはプラチナやゴールドなど、さまざまな素材のものがありますが、最大の魅力である変色効果を楽しむにはプラチナ・ジュエリーがおすすめです。
プラチナの高貴な白色と澄んだ輝きは、アレキサンドライト本来の透明感と色合いを引き立て、色の変化の美しさもしっかりと堪能できます。
変色や変質の心配がないプラチナ・ジュエリーは一生もの。希少性が高いアレキサンドライトにふさわしい素材と言えるでしょう。

アレキサンドライトのお手入れ方法

希少性が高いアレキサンドライトですが、宝石の硬さを表すモース硬度は8.5と、ダイヤモンドやルビー、サファイアに次ぐ硬さを持っています。
繊細そうに見えて意外にも扱いやすく、デイリーユースにもふさわしい石です。普段のお手入れは外した際に柔らかい布で拭くだけでOK
水にも強いため、汚れや曇りが気になった場合は中性洗剤を溶かしたぬるま湯に浸し、やわらかな歯ブラシなどで優しく汚れを落としましょう。

まとめ

神秘的なカラーチェンジで皇帝の宝石の座を射止めたアレキサンドライト。内に秘めた魅力を引き出してくれる宝石は、自分らしく生きたいという人のお守りにおすすめです。
自分を表現したいシーンで背中を押してくれる守護石として、45年間連れ添ったパートナーへの感謝の贈り物に、希少なアレキサンドライトを贈ってみてはいかがでしょうか?

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監修

PLATINUM

Preciousplatinum.jp編集室

プラチナ・ジュエリーの国際的広報機関であるプラチナ・ギルド・インターナショナルによる情報サイト。
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