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3月の誕生石珊瑚(コーラル)に込められた宝石言葉とは?その歴史や魅力をご紹介

2023.8.1

2025.7.8

真珠と並ぶ海の宝石として重宝されてきた珊瑚(コーラル)。
その色合いや性質から、お守りとして古くから人々に愛されてきた歴史があります。
そんな珊瑚には、どのような意味や願いが込められていたのでしょうか?
珊瑚という名前の意味や歴史、宝石言葉から、人々が珊瑚に込めた想いやその魅力について見ていきましょう。

  3月の誕生石珊瑚(コーラル)に込められた宝石言葉とは?その歴史や魅力をご紹介

珊瑚とは?

まずは珊瑚とはどんな宝石なのか、その特徴から見ていきましょう。

 

珊瑚の特徴

珊瑚は、鉱物ではなく真珠と同じ有機質の宝石です。
熱帯から温帯域に生息する生き物であり、その骨格を加工してできたものが珊瑚(コーラル)です。研磨すると素晴らしい光沢が現れるのが特徴です。
やわらかく不透明な珊瑚は丸いドーム型のカボションカットにされることが多く、日本では帯留めやかんざしなどの和装小物の宝石として使われています。

 

主な産地は、地中海やアフリカ沿岸、マレーシア沿岸など。
また日本も、世界から認められている美しい宝石珊瑚の産地のひとつです。
日本では高知県沖や日本近海の小笠原列島や五島列島、奄美、沖縄、宮古島周辺で採取されています。

 

宝石珊瑚と造礁珊瑚

「サンゴ」と言われると南国の浅瀬に生息する色とりどりの珊瑚礁を想像する方も多いのではないでしょうか。
しかし、暖かな海岸で成長するこれらの多くは造礁珊瑚と呼ばれるもので、宝飾品に用いられる珊瑚とは異なります。

 

宝飾品に使われている珊瑚は宝石珊瑚と呼ばれ、光の届かない深海に生息しています。
深海でゆっくりと時間をかけて成長する宝石珊瑚は、硬い丈夫な骨格を持っており、この骨格が古代から装飾品に用いられる宝石として親しまれているのです。

 

珊瑚の名前の由来

珊瑚の英語名はcoral(コーラル)。
地中海発祥の珊瑚はギリシャ語で「小さな玉石」を意味する「Korallion」から名づけられたという説や、ギリシャ神話が由来となったという説があります。
ギリシャ神話では珊瑚は、ゴルゴン(怪物の三姉妹)のひとり・メドゥーサの首から流れ出た血で染められ石化した海藻として描かれているため、ゴルゴンが名前の由来になったとも言われているのです。

 

日本語の「珊瑚」という漢字は、「珊」が「海に棲む虫の骨格が集まってできた玉」を、「瑚」が「神や祖先に捧げる穀物を盛る器」をそれぞれ意味しており、祭祀などで神聖なものとして大切にされてきた歴史が込められています。

珊瑚の歴史

珊瑚の歴史は古く、約2万5千年前のドイツの旧石器時代の遺跡からは、すでに珊瑚のビーズが発掘されていました。
発祥は地中海沿岸のイタリアやアルジェリアなど。最初に発見されたのは紅珊瑚で、約5,000年前には漁師たちによる珊瑚漁が行われていたと言われています。
日本に伝わってきたのは、7〜8世紀、奈良時代ごろ
地中海で採れた珊瑚は交易品として世界各地へ運ばれ、日本にもシルクロードを通って輸入されていました。
日本最古の珊瑚のビーズは、今でも正倉院に収められています。

 

その後、長年続いた漁によって枯渇してきたイタリアの珊瑚の代わりに、目をつけられたのが日本の珊瑚です。
19世紀中頃にはイタリアの珊瑚商人が来日し、土佐沖で取れた良質の桃色珊瑚や赤珊瑚を持ち帰ったことで、日本の珊瑚が世界から注目を集めることとなりました。
現在では高知県の伝統産業として定着し、珊瑚の加工技術も世界最高基準として評価されています。

珊瑚の宝石言葉

珊瑚の宝石言葉は、「幸福」「長寿」など。
血液を連想させる鮮やかな赤色や長い年月をかけて育つその性質から、強い生命力を象徴するものとして、厄災や病魔を払うと考えられていました。
また、危険を回避し持つ者に幸運をもたらす宝石として、航海や旅のお守りとしても身に着けられていた歴史があるとも言われています。

 

その生命力からギリシャでは子どもを病気から護るお守りとしても親しまれており、古代ローマでも子どもの健やかな成長を願って揺りかごにつけていたとされています。
日本では「産後」との語呂合わせもあり産後の肥立ちにも良いとされ、「安産」「子宝の宝石」とも呼ばれていますね。

珊瑚は3月の誕生石

月ごとにいくつかの宝石が定められており、生まれ月の宝石を身に着けることで幸福を呼び寄せるとされる誕生石。
珊瑚は、3月の誕生石としても愛されています。
3月生まれの方の誕生日のお祝いにもおすすめですね。

誕生石一覧はこちら

 

誕生石は月によって、ひとつではなく複数の宝石が当てはめられていることも。
ここでは、3月の他の誕生石についても軽くご紹介します。

 

1. アクアマリン

透明感のある淡いブルーが特徴で、海の力を持つとされるアクアマリン。
暗い夜でもわずかな光を受けてきらきらと輝く特性から「人魚石」とも呼ばれ、中世ヨーロッパの貴族からは夜会で身に着けるジュエリーとして親しまれていたと言われています。
「幸福に満ちる」「聡明」「勇敢」などの石言葉を持つ宝石で、さらに「幸せな結婚」を象徴する石として結婚4周年の記念石にもなっていますね。
アクアマリンについて詳しく見る

 

2. アイオライト

2021年12月、全国宝石卸商協同組合が63年ぶりに行った誕生石改訂で加わったアイオライトは、すみれの花のような色からその名が付けられています。
角度や光によって様々な色が見られる多色性を持つ神秘的な宝石であることも、大きな特徴です。
石言葉は「道を示す」「貞操」「誠実」など。進むべき道を迷った時の道しるべになってくれる「ビジョンの石」などとも言われています。
アイオライトについて詳しく見る

 

3. ブラッドストーン

アイオライトとともに、誕生石改訂で加えられたのがブラッドストーン。
血のような赤や褐色の斑点模様から「血の石」と名付けられた宝石で、傷や病気を治癒してくれると信じられており、騎士たちを怪我から守ってくれるお守りとしても大切にされていました。
「勇気」「聡明」「献身」といった石言葉を持っており、柔軟に困難を乗り越えられる力を与えてくれる宝石です。
ブラッドストーンについて詳しく見る

 

結婚35周年や還暦の記念にも

海の中でじっくりと長い時間をかけて成長していく珊瑚に長年育まれた夫婦の絆を重ね、結婚35周年の記念日は「珊瑚婚式」と呼ばれています。
結婚記念日の発祥とも言われるイギリスでも、35年目の記念日には「Coral(コーラル)」の名が付けられているそうです。
珊瑚婚式のお祝いには、珊瑚でできたジュエリーや小物、また珊瑚のようなコーラルカラーのものを贈り合ってみてはいかがでしょうか。

 

また、長寿や幸福を意味する珊瑚は、還暦のお祝いに贈られることも。
特に、「赤ちゃんに還る」といったような意味合いから赤いものを贈る風習のある還暦祝いには、赤珊瑚をあしらったジュエリーがぴったりですね。

珊瑚の持つパワー

海の力が宿る珊瑚には、

● 生命力を高める
● 愛情を深め、恋愛運を向上させる
● 緊張やマイナス思考を和らげ、リラックスへ導く

など、魔除けやお守りとして用いられてきた歴史からも分かる様々なパワーがあると言われています。

仏教では、金や銀とともに貴重な七つの宝とされる「七宝」のひとつにも数えられていますね。

珊瑚には様々なカラーも!色ごとに持つ意味

珊瑚は、赤やピンク、白などのカラーバリエーションが楽しめるのも魅力のひとつ。
その色ごとに込められた意味も異なります。
宝石珊瑚の中でも人気の5つの珊瑚の特徴と、その意味を紹介します。

 

紅珊瑚

主に地中海に生息している、黄みがかったムラのない赤色が特徴的な珊瑚です。

宝石珊瑚の中でも最も歴史が古く、交易品として世界各地へ輸出されていました。
太陽のようにあたたかみのある赤色が美しい紅珊瑚は、その色のように明るいパワーでネガティブな心を照らし、前向きな気持ちを喚起してくれるといわれています。

 

赤珊瑚

赤珊瑚は日本に生息している濃い赤色の珊瑚です。

特に濃く鮮やかな赤色を持つものは血赤珊瑚と呼ばれ、世界中のコレクターから人気があります。血のように鮮やかな赤色からあふれるほどの生命力を持ち、心身を完璧にコントロールする術を授けてくれるといわれています。
目標達成のために心身を万全な状態にしたいという人のお守りに最適です。

 

桃色珊瑚

桃色珊瑚は、赤に近い色から薄いピンク色の宝石珊瑚です。
中でもムラのない淡いピンクやサーモンピンク色のものは、日本ではボケ、英語ではエンジェル・スキン(天使の肌)と呼ばれており、幻の珊瑚として重宝されています。
桃色珊瑚は悪縁を断ち切り、大切な人との絆を深めてくれるといわれているため、人間関係を良好に保ちたい、良縁を結びたいという人におすすめです。

 

青珊瑚

まだら模様のくすんだブルーが特徴的な青珊瑚。国際条約で保護されているため貴重で、入手困難な珊瑚のひとつです。
落ち着いたブルーは心を癒し落ち着かせてくれる色。目標に向かって真っすぐに進んでいけるよう信念を喚起し、想いと行動を一致させてくれる力があるといわれています。

 

白色珊瑚

白色珊瑚は純白から薄いピンクのまだら模様、アイボリー色の珊瑚で、中部太平洋や日本沿岸、東シナ海などの限られた海域のみに生息しています。
マイナスのエネルギーを浄化する能力に長けていると考えられている白珊瑚は、「不滅の幸運」の象徴です。
身に着けると生命力や精神力を向上させ、持ち主に富と繁栄をもたらすといわれています。

珊瑚のお手入れ方法

有機質の宝石である珊瑚はモース硬度3.5〜4と比較的傷付きやすく、熱にも酸にも弱いデリケートな宝石です。
変色・変質を起こしてしまう可能性があるため、洗剤などの化学薬品や果物の果汁、温泉や高温の場所には注意しましょう。
汗や化粧品に触れてしまった場合は、柔らかい布で丁寧に拭きます。汚れが目立つようなら、水を含ませたやわらかい布で拭きとりましょう。
サンゴは多孔質で内部に水分が残りやすいため、拭いた後は日陰でしっかりと乾燥させてください。

 

また、硬度の高くない珊瑚は他の宝石とぶつかると傷がついてしまう恐れがあります。
保管の際には、宝石同士がぶつからないよう単体でしまうようにしましょう。

珊瑚を用いたジュエリーの楽しみ方

生命力や心のバランスを保つお守りとして珊瑚を身に着けたいという方におすすめなのが、日常的に身に着けやすいジュエリーで珊瑚を楽しむ方法です。
珊瑚を用いたジュエリーには様々な種類があり、ファッションとしてもそれぞれ異なる印象を与えることができるでしょう。

 

ネックレス

珊瑚の豊かなカラーは、首元を彩るネックレスにもぴったり。
鮮やかな赤珊瑚などを、コーディネートの差し色に利用するのもおすすめですね。
高級感あふれる赤珊瑚は、パーティなど華やかなフォーマルの場でも映えるでしょう。

 

イヤリング・ピアス

黒髪との相性も良く、日本ではかんざしの飾りとして古くから用いられている珊瑚。
鮮やかな色は顔色を明るく見せてくれる効果もあり、イヤリングやピアスなど顔周りに身に着けるのもおすすめです。

 

リング

鮮やかな赤珊瑚のリングで珊瑚の美しさを堪能するのはもちろん、桃色や白色などの珊瑚を用いたリングも、肌に馴染む色合いで日々のカジュアルな装いに合わせやすいでしょう。
着物との相性も良いため、日本でも広く親しまれる宝石なのも頷けますね。

珊瑚とプラチナ

珊瑚のジュエリーで多いのは、イエローゴールドやプラチナの地金です。イエローゴールドは華やかで女性らしい印象に、プラチナは知的で洗練された印象を与えてくれます。
シーンを選ばず身に着けるジュエリーをお探しなら、控えめな光沢感で珊瑚の上品な輝きを際立たせてくれるプラチナがおすすめです。
プラチナの混じりけのない白色が、珊瑚本来の色の美しさを引き出してくれます。

 

プラチナは化学的に安定した性質を持っており変色や変質の心配もないため、デリケートな宝石である珊瑚をできるだけ安心して永く身に着けたいという人にも嬉しい素材なのではないでしょうか。

まとめ

光の届かない深海で育ちながら、鮮やかな赤やピンクの色を宿した珊瑚。
古来より珍重されていたというのも頷けるその神秘的な宝石には、強い生命力など、豊かな海のエネルギーが宿ります。
心身を健やかに保ちたい、活き活きとした日々を過ごしたいという人は珊瑚のジュエリーを身に着けて、その力を借りてみてはいかがでしょうか?

監修

PLATINUM

Preciousplatinum.jp編集室

プラチナ・ジュエリーの国際的広報機関であるプラチナ・ギルド・インターナショナルによる情報サイト。
プラチナの価値を伝えるとともに、プラチナ・ジュエリーに関する実用的なアドバイスや専門的な情報を幅広く提供しています。

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