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2023.5.31
2025.3.6
夜空に浮かぶ月のような、精妙でやわらかな輝きを纏うムーンストーン。
その見た目から月と関連づけられることが多く、月の神秘的なパワーを宿していると考えられてきたムーンストーンですが、そのパワーとは一体どんなものなのでしょうか?
今回は6月の誕生石のひとつでもあるムーンストーンについて、名前の意味や秘めたパワーを紐解くための石言葉、古代から人々に愛されてきた歴史など、様々な面からその魅力について紐解いていきます。
まずは、ムーンストーンの宝石としての特徴を見ていきましょう。
ムーンストーンは半透明な石の表面に青白い光が浮かぶ、ミステリアスな見た目を持つ宝石です。ケイ酸ナトリウムからできた長石という石の仲間で、無色のものから乳白色、淡い緑色など、カラーバリエーションも様々です。
インド、スリランカ、ミャンマーといったアジアの一部を主要な産地としていますが、他にもタンザニア、ケニア、ニュージーランド、オーストリアなどで採掘されています。
ムーンストーンの大きな特徴のひとつが、表面に見られるその独特な青白い光。
こちらは「シラー効果」と呼ばれるもので、屈折率が異なる2種類の鉱物からなる構造が光をあらゆる方向に分散することで生まれます。
この光を最大限に引きだすために、山形が特徴的な“カボションカット”にされたムーンストーンが多く見られるでしょう、
ムーンストーン(moonstone)は、直訳すると月の石。
やわらかな光を放つ夜空の月と輝きが似ていることから月との関わりが深いと考えられ、その名がついたといわれています。
ムーンストーンと呼ばれるようになったのは1600年代頃からですが、古代ギリシャの時代にも月の女神セレネに由来した「selenites(セレニティス)」と呼ばれていました。
和名でもその姿と石の種類から、「月長石(げっちょうせき)」と呼ばれています。
ムーンストーンは乳白色のものが一般的ですが、その他にもオレンジやグリーン、パープル、ピンク、グレー、茶色など、豊富なカラーバリエーションがあり、その色味や成分によって様々な種類が存在します。
ここでは、例として人気のムーンストーンの種類をいくつかご紹介します。
ムーンストーンの中でもシラーの青色が強く出る上質なものがブルームーンストーンです。特にスリランカ南西部のミーティヤゴダにある鉱山でしか採れない鮮やかな青色のものは希少価値が高く、ロイヤルブルームーンストーンと呼ばれています。
オレンジムーンストーンは、柔らかくミルキーな淡いコーラル〜オレンジのカラーが特徴です。
優し気な印象のオレンジムーンストーンははっきりとした色味であればあるほどシラー効果による光は見えにくくなりますが、ブルームーンストーンなどとは少し異なる、内包物がキラキラと瞬くような輝きが魅力的です。
透明度が高いため、青白い光が見られる「アデュラリアンムーンストーン」と呼ばれるムーンストーンも存在しますが、このホワイトムーンストーンは、宝石自体がホワイトカラーになっています。
ホワイトカラーの宝石の表面に白色に近い青色のシラーが浮かび上がり、こちらもまた他のムーンストーンとは異なる魅力が楽しめる宝石です。
レインボームーンストーンはその名の通り、石の表面に7色の光が浮かび上がる石です。
虹のように見える輝きからレインボームーンストーンの名前がついていますが、実はムーンストーンとは異なる斜長石の仲間で、正式名称はホワイトラブラドライトという別の宝石になります。
ムーンストーンの歴史はとても古く、紀元前1世紀ごろから。
古代ローマで「月の女神ダイアナの宿る石」と信じられていたなど、世界各地で古くから月の力が宿るとされていたムーンストーンですが、ムーンストーンという呼び名で呼ばれるようになったのは、1600年代だと言われています。
聖なる石として長く扱われてきたムーンストーンですが、宝飾品としての全盛期はアールヌーヴォー時代です。
有名な宝飾デザイナーのルネ・ラリックやルイス・コンフォート・ティファニーも、カスタムジュエリー用の宝石として好んで使用していました。
また、1960年〜90年代には、飾らない自然な美しさがアメリカのヒッピーやニューエイジ運動のデザイナーたちの目に留まったことで人気が高まり、再び宝石としての魅力を世に知らしめました。
現代でも宝石として人気のムーンストーンには、「月が宿る石」として様々な地域・時代で様々な伝説や逸話が残っています。
例えば、月の光が固まってできた石だと信じられていたヒンドゥー教の神話では、「満月の時にムーンストーンを口に入れると未来が予知できる」と言われていたそうです。
また、ヒンドゥー教と同様に未来が見えると信じられていた古代ローマでも、「ムーンストーンは月の満ち欠けに合わせてその形を変える」と考えられていたなど、ムーンストーンは神秘的な輝きに合った不思議な言い伝えが多く存在しています。
ムーンストーンの石言葉は「愛の予感」「健康」「幸運」。
ムーンストーンは月の満ち欠けのように、万物は変化することが当たり前であることを気づかせ、感情を鎮めてくれる「新しいはじまりの石」です。
また、月のサイクルによって情緒が乱れがちな女性に癒しをもたらし、ホルモンに働きかけて女性らしさを高めてくれる効果があるとも言われています。
ムーンストーンはご紹介したような女性性に働きかけるような効果や感情を鎮め、衝突を防いでくれるといった神秘的な力以外にも、様々なパワーを秘めていると言われています。
特に恋愛面での力が強いとされており、中世ヨーロッパでは恋人同士でムーンストーンを互いにプレゼントし、愛を深めるという風習もあったほどです。
愛情に満ちた恋人同士を守る石としてはもちろん、意中の相手に送ると恋が生まれる、復縁できると言われるなど、おまじないやお守りに使われる恋愛成就の石としても高い人気のある宝石ですね。
1月から12月まで、各月にあてはめられている誕生石。
生まれ月の宝石を身に着けることで幸福が訪れる、などとも言われており、誕生日のプレゼントにもおすすめの誕生石ですが、ムーンストーンはその中で、6月の誕生石のひとつとして定められています。
誕生石には複数の宝石が選ばれている月もあり、ムーンストーンと同じ6月の誕生石には、他にも2つの宝石が選ばれています。
1つは、長い年月とともに育まれるその輝きから「健康」「長寿」「富」といった石言葉を持ち、家族の愛の象徴と言われていたり、お守りのような意味でも人気があるパール(真珠)。
もう1つ、63年ぶりとなる2021年の改定で6月の誕生石として追加されたのが、アレキサンドライトです。
「高貴」「秘めた思い」「情熱」「安らぎ」などといった石言葉を持つアレキサンドライトは、世界三大希少石にも選ばれるほどの希少性と光源によって変化する美しいカラーから「宝石の王様」とも呼ばれています。
日本では結婚の周年を祝う贈り物としてその年ごとに様々なものや宝石があてはめられていますが、結婚13年目は「月長石婚式」と呼ばれ、宝石にはムーンストーンが選ばれています。
結婚13年目のお祝いに、中世ヨーロッパの恋人たちのようにムーンストーンを使ったジュエリーなどを贈り合うのも良いでしょう。
また、ムーンストーンは99歳での「白寿」のお祝いの宝石にも選定されていますね。
特に贈り物や初めての宝石を選ぶ際など、宝石を選ぶ場合にはより美しいものを選びたいと思いますよね。
より美しいムーンストーンを選びたいという場合には、
● 透明度
● シラー(光の入り方)
の2つのポイントを特に意識するのがおすすめです。
まずムーンストーンは、透明度が高いものほど美しく、良質であるとされています。
ムーンストーンには「ムカデ」と呼ばれるわずかな亀裂のようなものが見られることがありますが、そういった内包物が多ければ、ムーンストーンの美しい青色の光の拡散を妨げてしまいます。
そのため、裂け目などの内包物が少なくできるだけ透明に近いものを選ぶと良いとされていますが、ムーンストーン特有の「ムカデ」にも、また独特の神秘的な魅力があり、その石だけの特別な輝きを感じることができるでしょう。
もうひとつが、ムーンストーンの大きな特徴であるシラー効果による光の入り方です。
ムーンストーンの光は石を傾けることでその角度とともに動いていきますが、そのときに、移動が滑らかなものほど美しいとされています。
シラーがあまり入っていないものでは、その動きが鈍く輝きに影響が出てくるかもしれません。
また、ムーンストーンの中には、「キャッツアイ効果」と呼ばれる猫の目のような縦型の光が見られることもあります。
シラーとキャッツアイが組み合わさった希少なムーンストーンは、「キャッツアイ・ムーンストーン」と呼ばれ高い価値があるでしょう。
ムーンストーンのモース硬度は6〜6.5と、比較的傷つきやすい宝石です。
強い衝撃が加わることで割れる恐れがあるため、他の宝石と一緒にせず単独で保管するのがベストです。
超音波洗浄やクリーナーなどでの洗浄も控えた方が良いため、汚れが気になったらまずはやわらかい布で拭き、落ちない場合はぬるま湯に中性洗剤を混ぜた中に浸して、やわらかいブラシで汚れを落とします。
どうしても汚れが気になる場合には、ジュエリーショップなどプロにクリーニングを依頼するのもおすすめです。
また、水や紫外線への耐性はありますが急激な温度変化に弱いため、お風呂やサウナでは外しておきましょう。
ムーンストーンは、19世紀後半に作られていた美術工芸品でも銀細工と合わせたデザインが人気だったほど、シルバーカラーと相性が良い宝石です。
特におすすめなのはプラチナ×ムーンストーンの組み合わせ。
プラチナの控えめな輝きは、一番の特徴である繊細なシラーの光を打ち消すことなく引き立て、プラチナの白色と相まってまさに月の光のような輝きを放ちます。
また、お守りとして選んだジュエリーや、贈り物でもらったジュエリーは、日常や特別な時など様々なシーンで身に着けたいものですよね。
そういった場合にも、プラチナのジュエリーはおすすめです。
プラチナは化学的に安定した性質を持つため変質・変色しにくく、またデザインとしてもそのさりげない存在感がシーンや年齢、トレンドなどにとらわれず様々なファッションにマッチするため、永くその輝きを楽しむことができるでしょう。
月の光に似た神秘的な輝きで、有名な宝飾デザイナーをはじめとした多くの人々を魅了してきたムーンストーン。
控えめで優美な輝きはシーンを問わず常に身に着けることができるため、デイリージュエリーとしてもおすすめです。
6月が誕生月の方や結婚13周年、白寿など様々なお祝いの贈り物として、ムーンストーンをあしらったジュエリーを贈るのも素敵ですね。
ぜひ、大切な方とともにムーンストーンならではの魅惑的な光のゆらめきを堪能してください。
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