プラチナ・ジュエリーの国際的広報機関による情報サイト
2023.5.8
2023.9.15
プラチナに似た白い色と輝きを持つホワイトゴールド。見た目は似ているふたつの素材ですが、それぞれ成分も性質も全く異なる貴金属です。
では、その違いはどこにあるのでしょうか?希少性や硬度、価格など、生涯を共にするジュエリーとしての魅力を比較しながら、ホワイトゴールドのメリットとデメリット、プラチナが婚約指輪に選ばれている理由を解説していきます。
プラチナとホワイトゴールドの一番の違いは、主成分となる金属の色です。プラチナ・ジュエリーの素材であるプラチナは、もともとが白い色をしていますが、金が主成分となるホワイトゴールドのもともとの色はイエローカラー。白色の金属を加えることで人工的に白い色を作り出しています。
そのままのホワイトゴールドは淡い黄色やグレーをしているため、ブライダルジュエリーとして販売されているものにはロジウムコーティングが施されているのが一般的です。コーティングによって、プラチナのような美しい白い輝きを保っています。
では、希少性や見た目、硬度にはどのような違いがあるのでしょうか?
世界のさまざまな国で産出されている金と比べ、南アフリカ共和国などの限られた地域でしか産出されないプラチナは採れる量も限られています。
これまでに採掘されてきた金属の総量で見てみると、ホワイトゴールドの主成分となる金が約19万トンのところ、プラチナは7,000トンほど。
1トンの原鉱石から採れる量で比較してみても金が平均3~5g、プラチナはわずか3gと、いかに希少な存在かがわかります。
ロジウムコーティングを施したホワイトゴールドとプラチナでは、一目見てわかるような大きな違いはありませんが、ロジウムコーティングは使い続けているうちに摩擦でメッキが剥がれ、地の黄味がかった色が見えてくることがあります。
一方、プラチナは生まれながらの色のため、白い色と輝きは色あせることがありません。
化学的にも非常に安定していることから、日常使いでの変色や変質の心配もなく身に着けることができます。
プラチナもゴールドもそのままではとてもやわらかく加工に向かないことから、割金と呼ばれる他の金属を混ぜて硬さを調整しています。
K18のホワイトゴールドの場合は金75%に割金25%、プラチナ900ならプラチナ90%に割金10%を含んでいるため、割金の割合が多いホワイトゴールドはより硬度が高く、変形や傷に強いといえます。
それぞれの比重(水を1とした場合の密度の比)で見てみると、プラチナが21.4、金が19.3とプラチナの方がわずかに重くなりますが、細身のリングであればそれほど違いは感じられないかもしれません。しかし一般的なジュエリーの素材であるプラチナ900とK18ホワイトゴールドで比較すると、その割金の違いから比重の差も広がります。
ジュエリーとしての販売価格で比較すると高価なのはプラチナ・ジュエリーです。
2023年現在金の価格が高騰していることからホワイトゴールド・ジュエリーの価格も上昇していますが、含有量の違いや割金となる金属の価格差などから、ホワイトゴールドよりもプラチナの方が価格が高くなっています。
ホワイトゴールドもプラチナもどちらも普段使いしやすい金属のため、基本的なお手入れ方法に変わりはありません。
ただし、変質や変色の心配がほとんどないプラチナと違い、ホワイトゴールドは酸やアルカリによって表面のコーティングが剥がれる恐れがあります。
温泉に入る際には外すようにしましょう。
ホワイトゴールドの一番のメリットは、プラチナと似た白い色と輝きをもちながらも、手の届きやすい価格帯であること。
また、プラチナに比べると軽いので、大振りでデザイン性のあるジュエリーが多いことも魅力です。
ホワイトゴールドのデメリットは、傷や経年劣化で表面のコーティングが剥がれてしまう可能性があること。そのため時間が経つと、黄味がかった地の色が出て、変色したように見えてしまいます。
プラチナの一番のメリットは、時間が経ってもその美しい白い輝きが変わらないこと。
汗や洗剤にも強くお手入れも簡単で、アレルギーも起こしにくいといったメリットがあります。
プラチナのデメリットは、ホワイトゴールドと比べると傷がつきやすいこと。ただし、今は割金を工夫することで高純度を保ちつつ耐久性を高めたハードプラチナという素材も出ています。少しでも傷に強い素材を…と考えている人は、ハードプラチナ素材から選ぶのも手です。
プラチナとホワイトゴールド、ふたつの魅力である美しい白さを保つためにはメンテナンスが大切になってきます。
それぞれの普段のお手入れ方法と、ホワイトゴールドのコーティングが剥がれてしまった場合の対処法を詳しく見ていきましょう。
汚れにも強いプラチナの普段のお手入れは、やわらかい布でサッと拭くのみでOK。
皮脂汚れなどが気になる場合には中性洗剤を溶かし入れたぬるま湯に浸け、やわらかな筆やブラシで汚れを落とし、水でしっかりとすすいでから柔らかい布などで水分を拭き取りましょう。
プラチナ・ジュエリーのお手入れ方法はコチラ
ホワイトゴールドのお手入れ方法もプラチナと同様に、普段のお手入れはやわらかい布で軽く拭き、汚れが気になる時には中性洗剤を入れたぬるま湯で洗います。
万が一、ロジウムコーティングが剥がれてしまった場合には、コーティングをかけ直すことで、元の美しい白色がよみがえります。まずは購入したショップに相談するのがおすすめ。
ブライダルジュエリーの場合はアフターサービスに含まれていることも多いため、剥がれた場合の対応や金額を購入時に確認しておくとスムーズです。
婚約指輪にプラチナが選ばれている理由は、花嫁を思わせる純粋な白と希少性の高さが「永遠の愛」を象徴するジュエリーにふさわしいとされているから。
また、お手入れも簡単でアレルギーを起こしにくいという特性からも、一生大切にしたい婚約指輪に最適な素材であることがわかります。
関連リンク:プラチナって何? 結婚指輪がプラチナの理由は?
手の届きやすい価格帯が魅力のホワイトゴールドと、いつまでも変わらない白色が魅力のプラチナ。それぞれの特長を理解することは、後悔しないジュエリーと出会うための大事なポイントです。ふたりの価値観を大切にしながら、純粋な愛の証にふさわしいジュエリーを選んでくださいね。
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