プラチナ・ジュエリーの国際的広報機関による情報サイト
最古のプラチナ使用例は3000年以上前の古代エジプトにまでさかのぼります。古代エジプト第18王朝 (紀元前1567〜1320年)では、ファラオの装身具にプラチナが使われたとされています。
現存する最古のプラチナ製品は「テーベの小箱」(ルーブル美術館蔵)と呼ばれる化粧箱。第25王朝(紀元前720〜656年)のテーベ王の娘で、高位神官のシェペヌペット1世の墓からの出土品です。この小箱には、一方の面は金、もう一方の面には銀を象嵌した象形文字が刻まれています。その銀と思われていた象嵌の一つがプラチナだったのです。
世界最古のプラチナ製品「テーベの小箱」
(ルーブル美術館蔵)。
一方、南アメリカでは、紀元前後からインディオたちが高度な精錬・冶金・鍛造の技術を用い、純度80 パーセント以上のプラチナの装身具を身につけていたことがわかっています。
特に紀元前100年頃、古代南米文明であるプレ・インカ文明では、ゴールドとプラチナを使った儀式用の宝飾品が作られていました。融点が最も高い金属・プラチナの熔解をはじめとする加工技術がヨーロッパで確立したのは18世紀後半のこと。プレ・インカ時代におけるプラチナの冶金・加工技術は、遥かなる時を隔てて、今も神秘に包まれています。
南米エクアドル、ペルー、コロンビアで発見されたプラチナ合金製装身具。原住民のインディオは、はるか昔から金や銀、プラチナの冶金・加工技術を確立していたと推定される(アメリカン・インディアン・ミュージアム蔵)。